「水見色かおり」の感想 |
生産者の山森さんの他のお茶でも感じるのですが、飲んだ時、体に抵抗なくすーっと入っていって、その後、変な表現ですが体が「嬉しい、嬉しい」とよろこびます。何だかとっても体によいもの、体にパワーを与えてくれるもののように感じます。特に水見色かおりは、飲んでしばらくしてから実にいい香りが体の中から湧き上がってきて、体がリラックスします。 「花のような香り」と言われていますが、バラの花のような華やかな花ではなく、清楚ですがすがしい、しとやかな甘さをもった香りで、強い香りだけれど大ざっぱでなく上品な感じがします。6月頃、このお茶に似た香りの花はないかなと探したことがありますが、お花屋さんで見つけた「梅花卯木(ばいかうつぎ)」という、梅の花に似た形の白い花をつける卯木の花の香りのイメージが「水見色かおり」のイメージと似ていました。 1煎目を水出しで、2煎目以降を熱いお湯でいれて、という飲み方が私の定番。白飯やアジの開きには合いそうにありませんが、休日の前夜や休日の午後、友人とゆっくり話をしながら飲みたいお茶です。というのも、香りがあって何煎もたのしめるというのが一つ。そしてもう一つは、2煎目以降の熱いお湯でいれたお茶が話している間に冷めていきますが、冷めた時、さらに香りが強く、おいしく感じられるからです。何回も飲んで知っている筈なのに、話に夢中になりながら4煎目の冷めたお茶を口にし、そのおいしさにハッと驚いてしまったという経験は一度ではありません。 こんなお茶に出会えた幸運に感謝しています。また、このお茶の香りが花を混ぜたわけでもなく、香料をふりかけたわけでもない、品種や栽培、製法によってお茶自身から引き出されたものだということを知った時、お茶の力、お茶の可能性がまだまだ広がっていることを感じました。 |
「水見色かおり」の感想
近藤 直美 |